2011.04.30 Saturday
四月大歌舞伎@新橋演舞場
フットボールとは関係ない話ですが、先日、新橋演舞場で「四月大歌舞伎」を、昼夜通しで見てきました。そう、わたしは、歌舞伎ファンでもあるのでした。
「お江戸みやげ」は芝翫さんと富十郎さんの名コンビによるものを以前、博多座で拝見したことがありますが、その時以来大好きな人情喜劇。お江戸に行商に来ているおばちゃん後家コンビ、締まり家のお辻とおおらかなおゆう。たまたま立ち寄った芝居で役者に惚れてしまったお辻が、酒の勢いもあって、苦労して稼いだお金のすべてを投げ出して惚れた相手を救うという、あまりにも優しく切ない人情喜劇…あの時に流した涙の量は、歌舞伎観劇歴の中でも3本の指に入るものとして記憶されています。それを今回、三津五郎さんと翫雀さんという新コンビで上演…どうなるかとワクワク半分、ドキドキ半分というところでの観劇となりました。翫雀さんのおゆうには関西の役者らしい身体からにじみでる優しさと愛嬌があって、存在だけでこちらをにこやかにさせてくれました。一方の三津五郎さんはどうしても「理」が立ってしまうところがあって、最初はやや硬い(芝翫さんと比べて)かなと思ったのですが、お辻の内面をみせる後半はさすがに隙なくうまい。芝翫さんに比べると決して「かわいい」お辻ではないのですが、わりと抑えた表現な分だけ、よりオトナの「女やな〜」って感じました。切なさが強いのは、三津五郎さんのお辻の方かもしれません。三津五郎さんと翫雀さんコンビは、セリフのやり取りのテンポも間もいいので、2人の掛け合いはばっちり。このコンビでぜひ再演繰り返して、よりよい作品にしていってもらいたいなと思いました…なお、なんだかんだいいながら、最初から最後まで涙腺決壊状態でした。なんていい芝居なんだろう。「よっ、大和屋!」
もうひとつお目当てだったのは、夜のキリ「権三と助十」。こちらは以前、菊五郎さんと三津五郎さんで拝見したことがあり。今回は三津五郎さんが初役で権三、そして松緑さんが助十…このコンビの世話狂言が大大大好きなわたしとしては、こちらも外せない。
三津五郎さんの権三はやや貫禄というか、色気というか、ややオーラ不足かなぁという感じ(菊五郎さんに比べて…そこは比べちゃだめか)で、やや「薄め」。でも、松緑さんや時蔵さんとのやり取りは、さすがに息があっていて楽しい。三津五郎さんと同様、ふだんどっちかというと理が立つイメージの市蔵さんの悪役(勘太郎)が、團蔵さんか?って思うくらいにホンマに悪くて素晴らしかった(笑)こんな市蔵さん、新発見。梅枝くんの彦三郎…関西弁難しいのはわかるけれど、無理なら無理で、普通に話した方が誰にとっても違和感ないんじゃないだろうか…。
「封印切」は何度となく見ているけれど、久々に秀太郎さんの「いい」おえんさんを見た気がします。やわらかく強く色気があって素敵なおえんさん。この役柄、誰が継いでいくことになるのか…関西に住むものとして、これはとても大きな心配ごとです。三津五郎さんの八っつあんは以前に松竹座で見たことあったはず。三津五郎さんの関西弁はカンペキなんだけれど、そこに愛嬌が出ないのはしかたないのか…いやでも、これからも演じ続ければいつか!八代目は関西歌舞伎で活躍された方でもあるし、三津五郎さんが関西の芝居に挑戦してくださるのはファンのわたしとしてもとても嬉しいところ(小吉くんのこともあるし)。「お江戸みやげ」の翫雀さんとのコンビが思いのほかよかったので、いつか、翫雀さんの忠兵衛と三津五郎さんの八っつぁんでアドリブたーっぷりで見てみたいなぁ。
「お江戸みやげ」は芝翫さんと富十郎さんの名コンビによるものを以前、博多座で拝見したことがありますが、その時以来大好きな人情喜劇。お江戸に行商に来ているおばちゃん後家コンビ、締まり家のお辻とおおらかなおゆう。たまたま立ち寄った芝居で役者に惚れてしまったお辻が、酒の勢いもあって、苦労して稼いだお金のすべてを投げ出して惚れた相手を救うという、あまりにも優しく切ない人情喜劇…あの時に流した涙の量は、歌舞伎観劇歴の中でも3本の指に入るものとして記憶されています。それを今回、三津五郎さんと翫雀さんという新コンビで上演…どうなるかとワクワク半分、ドキドキ半分というところでの観劇となりました。翫雀さんのおゆうには関西の役者らしい身体からにじみでる優しさと愛嬌があって、存在だけでこちらをにこやかにさせてくれました。一方の三津五郎さんはどうしても「理」が立ってしまうところがあって、最初はやや硬い(芝翫さんと比べて)かなと思ったのですが、お辻の内面をみせる後半はさすがに隙なくうまい。芝翫さんに比べると決して「かわいい」お辻ではないのですが、わりと抑えた表現な分だけ、よりオトナの「女やな〜」って感じました。切なさが強いのは、三津五郎さんのお辻の方かもしれません。三津五郎さんと翫雀さんコンビは、セリフのやり取りのテンポも間もいいので、2人の掛け合いはばっちり。このコンビでぜひ再演繰り返して、よりよい作品にしていってもらいたいなと思いました…なお、なんだかんだいいながら、最初から最後まで涙腺決壊状態でした。なんていい芝居なんだろう。「よっ、大和屋!」
もうひとつお目当てだったのは、夜のキリ「権三と助十」。こちらは以前、菊五郎さんと三津五郎さんで拝見したことがあり。今回は三津五郎さんが初役で権三、そして松緑さんが助十…このコンビの世話狂言が大大大好きなわたしとしては、こちらも外せない。
三津五郎さんの権三はやや貫禄というか、色気というか、ややオーラ不足かなぁという感じ(菊五郎さんに比べて…そこは比べちゃだめか)で、やや「薄め」。でも、松緑さんや時蔵さんとのやり取りは、さすがに息があっていて楽しい。三津五郎さんと同様、ふだんどっちかというと理が立つイメージの市蔵さんの悪役(勘太郎)が、團蔵さんか?って思うくらいにホンマに悪くて素晴らしかった(笑)こんな市蔵さん、新発見。梅枝くんの彦三郎…関西弁難しいのはわかるけれど、無理なら無理で、普通に話した方が誰にとっても違和感ないんじゃないだろうか…。
「封印切」は何度となく見ているけれど、久々に秀太郎さんの「いい」おえんさんを見た気がします。やわらかく強く色気があって素敵なおえんさん。この役柄、誰が継いでいくことになるのか…関西に住むものとして、これはとても大きな心配ごとです。三津五郎さんの八っつあんは以前に松竹座で見たことあったはず。三津五郎さんの関西弁はカンペキなんだけれど、そこに愛嬌が出ないのはしかたないのか…いやでも、これからも演じ続ければいつか!八代目は関西歌舞伎で活躍された方でもあるし、三津五郎さんが関西の芝居に挑戦してくださるのはファンのわたしとしてもとても嬉しいところ(小吉くんのこともあるし)。「お江戸みやげ」の翫雀さんとのコンビが思いのほかよかったので、いつか、翫雀さんの忠兵衛と三津五郎さんの八っつぁんでアドリブたーっぷりで見てみたいなぁ。