レーヴ監督の契約延長が決まったそうですね。ユーロで優勝できるチームを作ってくれることを願ってます。
ここからの内容は契約延長決まる前にエントリしようと思ってたものなので、ちょっと内容ズレちゃうんですが、ご容赦を。
"Everybody says Arsenal has a great team of youngsters that will be brilliant in years to come," former Germany goalkeeper Jens Lehmann told me in 2007. "But I've been in football long enough to know that it's not as simple as that. I've heard people talk about other teams in these terms before, and it never quite happened there, for a variety of reasons."
「誰もが、アーセナルは若いスターがそろった素晴らしいチームで、数年後には輝かしい未来が待っている、と言う」と、かつてのドイツ代表GKイェンス・レーマンが2007年に私に語ってくれている。「けれど、俺もずいぶん長くサッカーをやってて、それがそんなに簡単なことじゃないってことは知っている。これまでにも別のチームが似たような言葉で語られてきた。が、一度だって完全にそうなったためしはない、様々な理由によってだ」
Read more: http://sportsillustrated.cnn.com/2010/writers/raphael_honigstein/07/16/germany-low/index.html?eref=twitter_feed#ixzz0u9GwbpCf
わたしの中で英語メディアにおけるドイツサッカージャーナリストといえばラファエル・ホーニッヒシュタイン(Raphael Honigstein)。イングランドから母国のサッカーを見つめ、それをイングランドから英語で世界に発信する。外の世界から自国を見つめているためか、彼のドイツサッカーに対する目はとても(いい意味で)批判的で冷静。また、基本的に外国人向けに書いているということで、「ドイツから伝わってくる」ドイツ語のメディアの論調に引きずられて気分が上下するような時に、彼の記事を読むとはっとするしほっともします。
そんな彼の記事で面白いものが2つ。まずは1つめをここでエントリ。
"Sports Illustrated"のWeb版に7/14に掲載されている"
Despite strong World Cup showing, Germany still facing To Do list"という記事。ワールドカップでの飛躍ということが大きく取り上げられるドイツが、そのすぐ背後に抱えている解決すべき問題点について書いています。 取り上げられてる問題は大きくは3つ。
1)レーヴ監督の去就問題:契約延長のために解決せねばならない問題(ビアホフを残すか残さないか、ザマーとのU21をめぐる権力闘争など)はいくつかあり、それは解決しえるものであろうが、何せ時間がない。そして、冬の交渉決裂の際、交渉内容をタブロイドにリークされたことを、レーヴは完全には許していない。
2)キャプテン問題:時に高圧的な態度をとるバラックがいなかった今大会のチームで、選手たちが極めて満足している様子が伺える。(契約延長したとして)レーヴにはチームのパフォーマンス面、心理面を考慮した難しい判断が求められる。この問題解決方法としてホーニッヒシュタインがあげている、バラックには代表に戻るためにアームバンドをペイさせるが、ラームではなくシュヴァインシュタイガーに渡させるというのにはわたしも賛成。ただいずれにせよバラックとレーヴの関係もよいとは言えず、レーヴは争いごとが大嫌い。
3)アドラー、ロルフェス、ヴェスターマンらの復帰による問題:今大会で若い選手が自信を持ってのびのびと力を発揮できたことの背景には、自分たちのスタメンの地位が脅かされないという状況が与えられていたからでもある。今回怪我で呼ばれなかったメンバーが戻ってきて、そこで自分たちの元の地位を要求すれば、若い選手たちにとっての脅威となるし今と同じようなプレーはできなくなる可能性がある。
どんなチームも直線的に成長を遂げるのではなく、成功にいたるためには紆余曲折が必要。この後すぐに直面すべきこれらの問題と、どのように取り組んでいくのか。冒頭で引用したレーマンのことばにあるとおり、サッカーってそんなに簡単じゃないんだよってこと…サッカーファンならみんな知ってるはずなのに、つい調子に乗ってると忘れちゃいがち…。それを思い出させてくれる、ホーニッヒシュタインの記事でした。これを常に頭において、ユーロへ向かう代表をさらに追いかけていきたいと思います。