日帰りロンドンの旅(2011秋ドイツの旅2)


夜明けのロンドン・スタンステッド空港 午前7時30分(GST)

ドイツ旅行中の10月21日、日帰りで、ロンドンに行きました。テート・モダンで開催中のゲルハルト・リヒターの大規模な回顧展"Panorama"展を観るためです。わたしはリヒターの絵が大好き。彼の絵、特に、色彩を見ていると、血が沸くというか、細胞がうごめくというか、もう、肌の下がぞわぞわするようなたまらない感覚があるのです。
なお、09年にロンドンのナショナル・ポートレイト・ギャラリーでリヒター展を見たときのおはなしはこちら

日帰りでドイツからイギリスというと、けっこう大変そうに聞こえるかもしれませんが、滞在していたケルンはドイツの北西部。直線距離だとベルリンに行くよりロンドンの方が近い。フライト時間も約1時間ちょい。東京・大阪といった感覚です。
移動に利用したのは、大手LCCのひとつGerman Wings。こちらの利点は、価格はもちろんなのですが、街中からアクセスのよいケルン・ボン空港(ケルン中央駅から電車で15分程度)をベースにしていること。ロンドンは郊外のスタンステッド空港利用となりますが、現地でゆっくり遊ぶのに必要な早朝の便を選択する背中を勇気を与えてくれます。

朝5時前に、身軽な恰好でアパートを出発。下弦の月と星空。月が出ているのに、京都でふだん見上げるよりずっとたくさんの星が見えるのにびっくり。

機内預けの荷物が別料金になるため、帰りに荷物が増えても大丈夫なよう大きめのカバンに荷物は少な目で。機内預けの荷物さえなければ、チェックインも搭乗もiPhoneだけでできるため、カウンターに寄る必要もありません。ケルン空港はFree Wi-Fiでとっても快適(ちなみにスタンステッド空港もFreeWi-Fiでした)。ものすごくスムーズ。LCCはよくバスに例えられるようですが、確かに、磁気カードで乗るバス感覚です。


ロンドン郊外にあるスタンステッドからは、主要都市に向けてのバスがたくさん出ています。今回はナショナルエクスプレスのチケットを選択。NEのバスは、これまた中がFree Wi-Fiで、この日いちにちのルート確認やスケジュール考えるのにもとても便利でした。日本の高速バスも結構乗るけれど、このサービス提供しているのには乗ったことないなぁ。日本にもぜひ!バッテリーの残りを気にしつつ、あれこれ調べもの。車窓の外には明けてゆく空。


やや渋滞にまきこまれながら午後10時前、バスはロンドンのビクトリアステーションに到着。バスの中でシミュレートしたルートに従い、地下鉄でマンションハウスへ。前回ロンドン滞在したときに作ったチャージ済みのオイスターカードがあったので、さっさと改札を通過。目的地について地上に出たら、テムズ川を探します。おお、視界が開けてるからたぶんこっち!あっ、正解!テムズ川が見つかれば、ロンドンブリッジを横に対岸に渡り、少し歩けば、はい。今回の目的地、テート・モダンです。以前に来たことのある、しかもわかりやすい場所とはいえ、ケルンからここまで、まったく迷わず来られた自分に、ちょっとよくできました感(笑)




オープンしてまだ間もないゲルハルト・リヒター展は、「わ、混んでいる!」。海外の特別展ってそれほど行ったことないので、どれくらいで「混んでいる」というものなのかよく分からないのですが、少なくとも09年に同じロンドンのナショナル・ポートレイト・ギャラリーで行われていたやはりリヒターのポートレイト展とは、くらべものにならない入り。さすが、人気画家の大規模回顧展という感じです。

来場者の話すことばも本当にさまざま。ロンドンのミュージアムの常設展は無料。アートにそれほど興味のない観光客ならわりと高い入場料(私が払ったのは寄付付の14£)のかかる特別展に行くことはないんじゃあないかと考えると、ここにきている各国の人々は、わたしと同じように、このリヒターを見るためにテート・モダンに来たのでしょうか。

展示は13室。回顧展ということで、彼の作品が初期のものから最近のものまでが時代順に並んでいます。リヒターはまったく異なった作風の作品を作ることで有名なのですが、それにしても改めて驚くのは、その作風が時代によって変わっているのではないことを思い知らされること。まったくの抽象画の横に、美しい花のフォトペインティングと壁にかかった大きな鏡、そしてガラス作品…ひとつひとつの作品がその世界を作っていると同時に、展示室自体が、リヒターという画家の世界として存在しているのです。しかしどこでも考えさせられるのは、「わたしが見ているのは何か」ということ。現実か虚構か。もし、この目がとらえるものが虚構なのだとすれば、いったい現実はなにによってとらえられるのか?

(左)チケットとパンフレット(右)図録と展覧会のポストカード集(25枚綴りで£7.5!)
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アパートの鍵ください(2011秋ドイツ旅その1)

ドイツ滞在では、最近はアパートを利用することが多いです。ホテルに比べて必ずしも安くないし、ゴミ出し、片づけ、場合によっては掃除、洗濯…と やるべきことも多いし便利でもない。けれど、ホテルと違ってここは「自分の部屋」。朝はパン買ってきて好きなコーヒー入れて、夜には市場やデパ地下で買っ てきた食べ物とワインでテレビ見ながらのんびり、残ったら冷蔵庫に入れて、明日のおかずに(食ばっかりだな)…いや、それならホテルでもできるだろうって?そうなんですけれど、アパートとホテル、いちばん違うのは、アパートにはテーブルと食器がそろっているところ!これだけで、ずいぶんと「ここに住んでる」気分になることができます。

アパートを借りると最初に起こるのは、持ち主や管理人から鍵を預かるというイベントです。わたしがこれまで借りたアパートはどこも、部屋に到着する時間を直前に連絡し、アパートで落ち合うという方法になっていました。時間がはっきり分かっていればメール連絡もできるのですが、飛行機の移動を伴う日だとそれは難しい。ということで、空港なり駅なりについた段階で電話をすることになるのですが、今回は鍵を受け取るまでがやや大変でした。

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旅行初日、関空からのアムステルダム便出発が2時間遅れ。そのため、予約していたアムスからデュッセルドルフへの便への乗継ができなくなりました。航空会社から提示された振替は1本後ろのデュッセル行き最終便。それも5時間後。デュッセル到着は22時半頃ということは、ケルン到着は日付がかわる頃になってしまう!ええー、そりゃしんどい。
アムスから電車でドイツへ向かうということも考えたのですが、結局、カウンターで相談し、デュッセル便からアムス発ケルン便に変更してもらうことにしました。これでもケルン到着は22時頃。でも、アパートがケルンだということを考えるとずいぶん楽になります。こちらの便は、もともとケルン便を予約していた羽野さんが(やはり)振り替えられた便と同じもので、おかげで関空からケルンまでずっと一緒に行けることになりました。これはちょっとラッキー。

さて、次にせねばならないのがアパートの管理人への連絡です。アパートの鍵の受け渡し時間は20時まで。アムスから電車を使ったとしてもその時間には着けない。関空から連絡しようにも現地は深夜ですので、とりあえずアムスに着いた段階で電話をすることにしました。

そして関空を飛び立った飛行機は、揺れに揺れ続けてアムス空港へ。国際電話のかけ方が分からずKLMのお姉さんに教えてもらうなんてボケをしながら、アパートに電話し、飛行機が遅れて到着が22時過ぎになるということを伝えたところ、「No problem.鍵はアパートまで持っていきますよ」「じゃあケルンについたらまた電話しますね」…というやりとりに。やはりチェックイン時間が20時までのホテルを予約していた羽野さんも先方と連絡がついたことで一安心…アムスでのんびりのんびり時間を過ごし、予定通りケルン空港に到着したのです、が。

アパートに電話かけても留守電になっている!

何度かかけてもやはり留守電。ね、寝とるんちゃうやろなーーー、さっきの兄ちゃん、どっか遊びにいっとんのか!?いや、アパートの前まで行ったら待っててくれるかもと思いつつ、ケルン中央駅へ。この段階で23時前でした。羽野さんとケルン中央駅で別れ、やや動揺しながらアパートへ向かったのですが、やはりだれもいない。管理事務所のレセプションが200メートルほど離れたところにあるのを知っていたため、そちらに行ってもみるのですが、やはりだれもいない。(私が鳴らしてる電話、今、この無人のオフィス内に響いてるんだろうなー)と思いつつ、どうしようもなくまたアパートへ。そしてレセプションへ。またアパートへ…深夜にスーツケースを引きずり引きずり20分ほどうろうろしたでしょうか。ふとアパートの玄関扉の横の窓ガラスに目をやれば、そこには1枚のややくたびれた張り紙が。
「○○アパートメント:時間外に来た方は、こちらに電話してください」
……こ、これか。
電話をかけてみれば、明るい女性の声。「鍵は近くのホテルのフロントに託してありますよ」。この夜3度は前を通ったホテルに入ってフロントで尋ねれば、あっさりと鍵登場。鍵と一緒に入っていたメッセージをみれば、"Your appartment is ........, groundfloor, door straight ahead."…(こ、これって1階入って突き当りの部屋ってことだよな…)小さなアパートなので部屋番号はありません。玄関の鍵を開けて、突き当りの部屋に進むと表札は"Müller"…いや、だからつまりここだよね。ミュラーさんが管理会社に託してるアパートなのよね!と自分にいいきかせつつ、鍵が一発で開いたときのうれしさよ!やっとたどり着いたーーー。この時だいたい現地時間23時半。日本の自宅を出発してから、ちょうど24時間が経過していました。

これから学んだこと。初日の宿は24時間フロント開いてるホテルがいい…。

以下、今回滞在していたアパートの様子。

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2011年秋ラインラント&ロンドンの旅



10/18(火)〜24(月)まで、ケルンに滞在しながら、現地観戦&アートその他もろもろを楽しんできました。

今回の旅の目的は、これがラストシーズンかもしれないバラックを見ておくためレバークーゼン戦観戦であり、この10月上旬〜来年1月上旬にロンドンのテート・モダンで開催されているゲルハルト・リヒター(Gerhart Richter)の大回顧展となる「パノラマ」展("Panorama")を観るということでした。

リヒター展を観るなら10月以降…と旅程を考えていた7月上旬、ひょんなことから、こちらのサイトオーナーの羽野さんから連絡をいただきました。同じ選手のファンとして、いろいろ悶々とする想いを抱えていたふたり、すぐに一緒に現地観戦をしましょう!という話が盛り上がり、そこからCLのドローとリーグ戦の詳細日程発表を待ち、最終的な旅程を決めました。羽野さんとはこの段階ではスタジアムにて現地集合、現地解散の予定だったのですが、なんと偶然にも、行きも帰りも同じ便(ただし羽野さんはケルン便)をとっていたことが判明、思いがけず、往復の飛行機もいっしょということに。

出発前に決めていたわたしの旅程の大枠は次のとおりです。

18日(火)  関空→アムステルダム経由→デュッセルドルフ ケルン滞在(〜24日まで)
19日(水)  【アート】インゼル・ホンブロイヒミュージアム訪問
        【観戦】CL レバークーゼン対バレンシア観戦
20日(木)  公開練習その他予定なし
21日(金)  【アート】テート・モダン訪問(日帰りロンドン)
22日(土)  終日予定なし
23日(日)  【観戦】BL レバークーゼン対シャルケ
24日(月)  デュッセルドルフ→アムステルダム経由→関空(25日着)

今振り返ってみると、うん、予定通りだったよねともいえるし、いやいや、いろいろなことが起こったよねともいえるし…そんな旅の模様をちょっとずつ記していきます。日程順だといつも息絶えるので、今回はカテゴリ別で…が、がんばるぞ。

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