Englischer Fussball

キックオフ直前、キャプテンのダンカンは私に攻撃的ミッドフィールダーとしてプレーするように言った。実際問題、それは単にピッチ上の特定のエリアでボールを追いかけろということに過ぎなかった。そうしているところを見せること---あるいはもっと正確に言えば、とにかく大声を出すこと---、これだけがきわめて重要だった。ドイツでは反対だった。黙って、威厳をもってプレーしろと言われていたのだ。("Englischer Fullball"p2)

022408013XEnglischer Fussball
Yellow Jersey Press 2009-09-14


タイトルをだけ見るとドイツ語の本のようですが、これ、実は英書。Guardianなどでのドイツサッカーコラムでおなじみ(日本のサッカー雑誌でも彼の記事紹介されてますよね)のロンドン在住ドイツ人サッカージャーナリスト、Raphael Honigsteinによる、「ドイツ人のイングランドサッカー観」。表紙にはやはりドイツ人でイングランドサッカーに詳しいヒッツルスペルガーの"This book explains it all!"のコメントが。

イングランドメディアが「ドイツ人選手」「ドイツ代表」を紹介するとき、そこには何らかの、間違ってもポジティヴじゃない感情が含まれていることが多いと思います(この前バラックがPK外したときなんてもー)。
この2つの国の歴史的な関係のこと、そしてイングランドサッカー史におけるドイツの存在のこと・・・イングランドにとってもっとも倒したい…、倒してネタにしたい、見下したい…ドイツってそんな相手なんじゃあないかと思ってます。
が、ドイツにとってのイングランドはどうなのか?イングランドにとって倒すべき相手はドイツだけれど、ドイツにとってのそれはオランダであって、ドイツ人はイングランド人が自分たちに対して感じているような「敵意(っつーか悪意?)」を、相手に対して決して持ってはいないらしい。じゃあどう見ているの?どーでもいい相手?それとも??ひとはなぜこんなにもイングランドサッカーに惹かれるのか…イングランド人が知らないイングランドサッカーとイングランド人に迫る…と思われるこの本、しばらくかけて読んでいきたいと思いまーす。

秋の夜長にフットボールを読む

せっかくの円高、コレを利用してアマゾンでお買い物〜と、発注していた本が昨日届きました。
今回の発注先はUK・・・実際、UKの本だと日本でも購入できるものが多いのですけれど、今回は日本のアマゾンでは未入荷のものを手に入れたいこともあり、シベリアを越えて届けてもらうこととなりました。ま、円高だし。

さて、届いたものをご紹介。

Moody Blues: Following the Second-best Team in Europe
James Clarke
0954388496
Heroes Publishing 2008-08-16
Sales Rank : 109115
Average Review star
See details at Amazon

著者はバーミンガムに住みながら、隔週末に約3時間かけて長距離バスに揺られロンドンへ通うチェルシーの年間チケットホルダーにして、祖父の代からの筋金入りのチェルシーサポーター。この作者が本当にその足で追いかけ、その目で見たチェルシーのあの07-08シーズンがここに。

わたしはそもそもバラックを追いかけてチェルシーを応援することになりました。「金満クラブ」としていわばサッカー界の悪役であること、またバラックが1年目はチームになじめなかったこともあり、自分がチェルシーファンだという自覚はまったくありませんでした。けれど、モウリーニョ退任に始まる涙と笑いと怒 りと絶望が交互に押し寄せるまるでローラーコースターのような昨シーズンと、そんな中をそれでもタイトル目指して戦う選手やスタッフを通して、すっかりこ のチームにハートを鷲掴まれてしまったのでした・・・もちろん、バラックが劇的な復活を遂げたってことが嬉しいこともありますが、それすらもなんだか、昨 シーズンのチェルシーを揺さぶった数多くのドラマのひとつとして捉えてるようなところがあります。タイトルを何ひとつ得られなかったチェルシーの 07-08シーズンって、それでも胸にぐっとくる何か特別なものだなと思うのです。でもそれは、わたしのように観戦歴の浅いファンだけじゃなくて、何十年 に渡り声援を送り続けてきたサポーターにとってもきっと・・・この年はきっと何か特別なものとして記憶に残る・・・それがこの本なのかもしれません。

"Moody Blues"の記述は、PK負けで終わったマンUとの8月のコミュニティーシールドに始まり、作者がスタンフォードブリッジで、パブで、国外で・・・それ ぞれの場所で見つめた1試合1試合の日付を追うかたちで進んでいきます。わたしも一応全試合見ている(はず)ので、ひとつひとつの記述に「そうそう、そうだったそうだった!」と記憶を呼び覚まされています。もちろんこの後あの運命の9月・・・モウリーニョの退任とグラント就任、混乱、選手の怪我による度重 なる離脱とバラック復帰、プレミアでのアーセナル戦、ランパードのお母さんのことと彼のいないマンU戦、鳥肌のたったCLリバプール戦、そして5月の雨の モスクワ・・・と、語られていくはず。大事に大事に(辞書もちゃんと使いながら)読みすすめていきたいと思っています。(ちなみにまだ9月入ったところ)
なお、日本のアマゾンでは現在在庫切れのようですが、入荷予定はあるようです。こちら


で、あともう1冊・・・。
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"Deutschland" は「魅惑のスポーツ」特集

"Deutschland" Online
※リンクがおかしかったので張りなおしています(7/19 0930)

ドイツ語講座の授業前、
「これ、○○さんが、渡しといてって」
と、他のクラスの方からのことづけものとして渡されたのがコレ。



「おおーっっ(涙)」
こちらは、ドイツの現状を伝える雑誌"Deutschland"2008年6/7月号の日本語版・・・なーんとまるまる一冊64ページ、これでもかってくらいのドイツのスポーツ特集です。もちろんドイツにおける人気ナンバーワンスポーツであるサッカーに言及した記事もたくさん。ドイツの5人のスタースポーツ選手として、トップにバラックの記事(見開き2ページ)。ドイツにおける現在のサッカーブームを伝える記事12ページ。こちらにはヨギやクリンシも出てきますが、女子サッカーや外国人移民のサッカーを通じての社会統合についてなど、なかなか日本では紹介されないドイツのサッカーの現状についてもたくさんページが割かれています。ずっと「可愛いな〜っ」とずっとわたしも思っていた女子の人気選手ファトミレ・バイラマイ選手はコソボ移民のイスラム教徒なのだそう。なかなかスポーツクラブへの参加が進まない移民女性にとって、ひとつのモデル的存在のようです。北京オリンピックの注目選手の紹介などもありますので、これ読んでおくとオリンピック見るのが楽しくなるかも!

で、この雑誌"Deutschland"、いただいたのはいいのですが、どこで入手されたかを聞きそびれ・・・。おそらくゲーテインスティテュートなんかにはおいてあるんじゃないかと思うのですが詳細不明。価格は2.70ユーロとなっています(貰ってよかったんだろうか)。ただ、ネットで確認したところ、PDF版であればサイトから無料でダウンロードできるようですよ(日本語版もOK)。興味がある方はこちらからエントリを。
※「日本語」を選択しても、現状英語でのディレクションになるようです。

Number707 Euro Final特集号

Life goes on without football...
サッカーのない週末です。皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2008年 7/17号 [雑誌]
ユーロ決勝直後はあれほど「悔しくない」と思っていたのですが、いやいやいや、スペイン優勝(ドイツ敗退)の報道を目にするたび悔しくて悔しくて悔しくて。あぁ決勝で負けるってこういうことだったと、世の中に敗者のレッテルを貼られるということだったと、思いしらされた感じがしています。やっぱ決勝で負けちゃダメだ。

Number#707購入。表紙はトーレス・・・彼のことは嫌いじゃないんで素直にステキだと思います。ポは「王子!」だけど、トーレスは「王子さま〜」ですね。でもポの方がずっとおもろいので、ポの圧勝!(笑)
ユーロ中、ユーロ後のバラックのコメントまとめた記事が3ページ。トルコ対ドイツの記事が4ページ。グループリーグの記事中「ちょっと困ったKYな人たち」というコラムになぜかレヴさん&ヒッケルスペルガー監督の写真と退場劇の話がちらりと登場。コラム自体はユーロ中にBildに掲載されたというユリゲラーネタが中心なのですが、タイトルと内容がまるであっていないと思うのはわたしだけ?奥寺さんが対談中、日本の選手はラームのような小さな選手の速さ、判断の速さ、そして相手の逆を取る動きを見習えとコメントされてます。などなど。木崎さんの王子についての記事もちょっとある。
スペイン万歳の内容というよりは、ユーロ総括的内容ですので、ドイツファンの方が読まれてもさほど痛みは感じないと思います。

それにしても・・・暑いですねぇ。サッカーもないし起きてても仕方ないし・・・さっさと寝ようと思います。おやすみなさい。

BLUE PRIDE(CFC Season Review 2007-08 DVD)

B0017LGFCIChelsea Season Review 2007-2008Chelsea FcIlc Media 2008-06-13

ユーロ中ではありますが・・・早々にゲットをしてしまいました、チェルシーの07−08シーズンレヴューDVD"Blue Pride"。
DVDはコミュニティー・シールドに始まる全試合(CL・Cカップ・FAカップ含む)のハイライト、選手・監督(モウリーニョ含む)の試合後インタビューもちょこちょこついて約3時間の映像になっています。Amazon UKで割引中につき、イギリスで買えば定価16ポンドほどするところを、送料込み(もちろん免税)で12ポンド・・・2500円程度で買えちゃうんだからかなりお得感あります。

※注:PAL方式ですので、日本のフツーのDVDとテレビの組み合わせだとたぶん再生できません。NTSC方式に変換できるDVDプレイヤーを使うか、直接TVにつながない方法、たとえばパソコンのDVD再生機能を使うなどの方法で見られるはずです。購入の際はご注意ください。

内容に関しては、ざっと全試合を月別のダイジェストで平面的に切り取った感じ。モウリーニョ辞任についても扱われてはいるけれど、10秒ほどでさらりと流されています。
それにしても、こうまとめて見ちゃうと、結局何も手に入らなかったシーズンだったなぁ・・・というカンジがひしひしと(^^;どうしてもその試合内外の「あれやこれや」や「いろいろ」をよくもわるくも楽しんだシーズンだっただけに、平面的に俯瞰した試合ダイジェストでは伝わらないものがあります。モウリーニョの辞任も、バラックの復活も、ランパードのことも、テリーの涙も・・・グラントよくやってくれたよね!って思いも。むしろこの映像はリモコンの一時停止ボタンに指をかけ、「そうそう、あーだったこーだった」と過ぎ去りしシーズンを誰かと語るの適した素材かもしれません。