ドイツ4-0カザフスタン(EMQ)…雑感

目が覚めた時には試合が始まってました…。あーしまったしまった。あ、なにもう2-0なの?…と、15分時間間違えたのかなぁと思っていたのですが、よくよく見てみりゃもう前半終了間際…開始時間をきっちり45分間違えてたわけです。気合が抜けまくってます。
見所がほぼ前半に固まっていたようで、あまり面白いところは見られなかったのですが、4点目のケディラのラストパスはお見事!でした。


試合は4-0。予選なので勝てればいいし、それもできるなら省エネで勝ちたい。そういう点からいえば、まったく悪くない結果だと思います。が、この試合の後半には、観客席からのブーイングが。確かに、3点リードして入った後半は気合抜けまくっててグダグダ。ホームでカザフスタン相手だからゴールラッシュを期待したファンは、そりゃがっかりしただろうと思います。試合終了間際に、これもいつものようにクローゼが帳尻あわせる追加点を決めて、試合終了後にブーイング受けながら去るという図はどうにか免れたかたち(いつも帳尻を合わせてくれるのはミロかポドルスキ…というイメージがある)。

試合後、レーヴ監督やケディラらから、このブーイングを批判するコメントが出ています。
代表戦のブーイングといえば、わたし自身も一昨年の秋に、現地観戦した消化試合となっていたWM予選フィンランド戦でも体験しました。正直、気分いいものじゃあありませんでした。たしかにグダグダだったのではありますが、目の前がグダグダで一緒になって観客がグダグダになっちゃダメだろう…と。そういう時こそ、選手たちが恥ずかしくなるくらい一生懸命に歌ってやれって思うのです。試合中のブーイングは試合の雰囲気を悪くすることはあってもいい効果はないと思うので基本的に反対。だから、この試合も実際にスタジアムにいたら同じように感じたと思います。

ただね…
「観客はいつもスペクタクルを期待するが、いつもそんな風にいくわけはない」
ようなコメントをレーヴ監督はしているけれど、ファンにそのスペクタクルを期待させるような広報戦略をとってるのはDFBじゃないのだろうかという気はします。最初から最後まで作り上げられたアイドルのコンサートじゃあないんだから、試合にはうまく行く時もあればそうじゃない時もある。観客の(そして選手の)期待通りに進むわけがない。目の前で行われるのはまったくシナリオのない生のゲーム…グダグダで勝つかもしれないし最高の内容で負けるかもしれない…でもその一発勝負のスペクタクルなんだし、それにハラハラドキドキしたり笑ったり泣いたり悔しい思いしたり失望したりする…ってことも含めてのサッカー観戦のはず。
だから、「スタンドに来て、スター選手の繰り広げる最高のサッカーを見よう!」じゃあなくて、「スタンドに来て代表チームに声援を送ってください!」って姿勢で「ファン」とじゃなく国民と向き合えば、ここまでブーイングされることはないんじゃあないだろうか。

などと、つらつら思うカザフスタン戦でした。半分しか見てないんですけれども。

2/9イタリア戦の招集メンバー

来週9日(水)のイタリアとのフレンドリーマッチの代表招集メンバーが発表されています。マインツの若手はU21に回ったようです。

GK:アドラー(レヴァークーゼン)、ノイヤー(シャルケ)
DF:アオゴ(HSV)、バトシュトゥバー(バイヤン)、ボアテンク弟(マンC)、アルネ・フリードリッヒ(ヴォルフスブルク)、フンメルス(ドルトムント)、ラーム(バイヤン)、メルテザッカー(ブレーメン)、シュメルツァー(ドルトムント)、ハイコ・ヴェスターマン(HSV)
MF:ベンダー兄(ドルトムント)、ゲッツェ(ドルトムント)、グロースクロイツ(ドルトムント)、ケディラ(レアル)、エジル(レアル)、シュヴァ(バイヤン)、トレッシュ(シュトゥットガルト)
FW:ゴメス(バイヤン)、クローゼ(バイヤン)、ミュラー(バイヤン)、ポ(山羊)

初招集は、スヴェン・ベンダーただひとり。

イタリアとの対戦は06年ドイツ大会の準決勝以来。大会屈指の名勝負といってもよいあのゲーム…あの時招集されてたメンバーも、アルネとラーム、メルテ、シュヴァ、クローゼ、ポの6人だけになりました。死闘続きだったドイツ大会も、ずいぶん遠くなったなぁ。






あれから1年

11/10、今日でロベルト・エンケが命を絶ってからちょうど1年です。
あの日(日本では11日の朝)、起き抜けにtwitterのTLに"Robert Enke ist tot."の文字を見て、その意味するところを否定しようといろんなことを考えたのを覚えています。

数日前、こんな記事を発見しました。
Enke's suicide changed little: sports academic
エンケの死後、何かが変わったか?いや、「殺伐とした」プロサッカーの世界は、驚くべきことにほとんど何も変わってない。次の犠牲者が出てもまったく不思議はない…という、ベルリン自由大学の教授の発言をまとめたものです(元ネタはBildのインタビュー)。
客観的な研究者だけでなく、選手としても、アドラーが最近インタビューでこんなことを発言しています。

あれからまもなく1年たつが、何か変わったと感じられていますかとの問いに、
Adler: Nein, und ich möchte ganz deutlich sagen, dass ich es sehr bedauere, dass sich überhaupt nichts geändert hat. Nach dem tragischen Tod von Robert ist zwar viel heiße Luft fabriziert worden, geändert hat sich aber nichts. Aber so ist wohl dieses Geschäft. Man bezeichnet Fußballer gelegentlich schon einmal als moderne Gladiatoren und ich denke, dass da etwas dran ist. Die Leute kommen Woche für Woche ins Stadion, bezahlen dafür sehr viel Geld und wollen Kampf und Leidenschaft sehen. Für Schwäche ist aber kein Platz, das wollen die Zuschauer nicht, das will die Gesellschaft nicht sehen. Ich bedauere das sehr. Letztlich ist das aber wohl auch der Schnelllebigkeit des Fußballs geschuldet. Wer heute noch der Messias ist, kann drei Tage später schon der Versager sein. Es gibt nur schwarz und weiß, keine Grautöne.
いいえ、はっきりといっておきたいのは、まったく何も変わってないということをとても残念に感じているということです。ロベルトの悲劇的な死の後、確かに熱い空気が大きく生じましたけれど、何も変わってはいません(heisse Luftの意味が怪しいので直訳)。けれど、この仕事はこういうものなのです。サッカーはこれまでにも現代の剣闘士だと呼ばれていますが、わたしもそれをまったくの間違いだとは思いません。毎週毎週スタジアムに人がやってきて、そこでたくさんのお金を払い、戦いと情熱を見たいと望む。弱者のための場所はありません。そんなものを観客も、社会も見たがってはいないからです。わたしはこのことがとても残念です。結局のところ、これはサッカーというもののペースの速さのせいでしょう。今日の救世主が、3日後には全くの役立たずとなる。黒と白のみ、灰色はありません。
結局のところサッカーと選手を取り巻く環境は何も変わっていない…のかもしれませんが、それでも、年に1度くらい、エンケのことを想い彼の死について語ることは、意味がないことではないと思います。

R.I.P. Robert Enke

バラックがユーロに向けてキャプテン留任

Löw: "Ballack bleibt Kapitän"

DFBのこのページの見出し見た瞬間に…なんか、いや〜なこと思い出したのでした。そういや、バラックをキャプテンにしとくかどーかって問題は、2度目でしたね。前回のこと思うと、今回は気が楽だったな〜。だって、どんな結果がでてもバラックには非がないわけですし。はははははー。はぁ。

ということで、本日現地時間12時半からレーヴ監督のプレスカンファレンスがあり、事前の予告通り、ユーロ体制のキャプテンが発表になりました。キャプテンはバラック留任。ラームはバラックがいない時のキャプテン代行(つまりヴァイス・キャプテン)。で、さらにそのラームの次にシュヴァインシュタイガーということです。

『バラックは南アフリカ大会で代表辞めるんじゃないかな。少なくとも、その後もキャプテンやるってことはないだろう』と、バラックが怪我する前からずーっと思ってきてたわたしですので、今回のタイミングでキャプテンが代わることについては、この先を考えても当然のことだろうと思ってました(ちなみにいえば大会前から、そして大会後はそれ以上に、次はシュヴァインシュタイガーがいいなと思ってました)。ただ、理屈ではそれがいいと思っているけれど、気持ちがそこに追いつかない…それもこれも、南アでプレーしてないから!ボアテンク兄のばかたれ〜〜!!と、ずっと悶々としてたのでした。今はその悶々は少なくともなくなったから、あとは本人に頑張ってもらうだけですね。レーヴ監督とバラックは昨日顔合わせてゆっくり話したそうです。決定するのは監督の仕事でしょうけれど、きっと本人もやるって言ったのだと思いますし、そこにはそれなりの覚悟もモチベーションもあるのだと信じてます。とりあえずレバークーゼンでチームにフィットすることが第一。これからも云々かんぬん外野から言われ続けるんだろうけれど、まずはピッチでその力を証明して、黙らせていってもらいたいです。

今回もBildがいつものように「バラックがキャプテン留任」と前日からすっぱ抜いて伝えていて、kickerもプレスカンファレンスの前からBildソースだとしながらもバラックだと確定事項的として報道していたので、たぶんそうなるんだろうなとは思ってました。それでも実際にレーヴ監督の口から聞くと、ものすごい安堵感があったのも事実。やっぱりキャプテンでいて欲しかったんだな、わたし。それにしてもBildって大げさな報道はするけれど、ウソは書かないですよね(少なくともバラックネタに関しては)。経験上Bildのスクープは信じてるわたしです。

もうひとつ気になっていたGK問題ですが、こちらはノイヤーをナンバーワンでとのこと。ただし、今後アドラーやヴィーゼが親善試合などでプレーすることは予定しているということ。こちらについても妥当な結果かな。

とりあえず対ベルギーのアウェー戦そしてホームでの対アゼルバイジャン戦。ここで6ポイント稼ぐことが必須です。ワールドカップの予選の時も、フィンランドのアウェーをドローにしちゃって、そこから最後までドキドキするハメになっちゃったってことがありました。トルコのアウェー以外は全勝ペースで行かないと。ベルギーは最初がホームでドイツ、次がトルコとだそうで、絶対に負けられないと、ものすごい高いモチベーションと準備できているはず。気を抜かずにいかないと!Auf geht's, Deutschland!!

Daenemark2-2Deutschland(親善試合)

ワールドカップ明け初めての代表戦…ですが、A代表のキックオフ前にU21のユーロ予選がありました。まずはそっちの話から。

Island4-1Deutschland
グループ3位ながら首位チェコ、2位アイスランドに水を空けられていたU21。追い詰められた状態で臨んだアイスランドとの直接対決でしたが、これに屈辱的な大敗。全8戦中残り2試合も残して、予選敗退となりました。あかんやん!
今回のU21はオリンピック予選も兼ねているため、これにてロンドン大会にドイツが出場することもなくなりました…。前回大会でU21に大興奮した身としては、これは本当に残念。U21はトップの選手がぜんぶA代表に抜かれちゃうから、特にWMイヤーでもあった今年はとても難しかったのだとは思います。それに、実際、ここにエジルやミュラーやボアテンクを今更入れるのは「おとなげない」ですしね。
ただ、こんなガチンコの試合で(しかも失礼だけどアイスランド相手に)4失点はいただけない。2失点したあと1点返して、ここからだ!と思った瞬間の失点、これで完全に「あ、もーダメ」モードになってしまったのか。でもそんなんじゃ困るよ、Uがつくとはいえドイツ代表。

で、この試合直後、A代表戦スタート。
デンマーク2−2ドイツ

A代表とはいうものの、こちらもWM明けでシーズン前の苦しいところで完全にB代表という顔ぶれ。その中でWMのスタメン選手としては、ジェローム・ボアテンクがただ一人出場かつ最初からプレーをしてました。えらいといえばえらい…ようにも思える。この辺はクラブの考え方の違いもあるんでしょうね。しかし、「あんた親善試合で退場するつもりか!」みたいなファールをのっけからやるクセは、そろそろ直した方がいいんじゃないかなぁ、ボアテンク。ノイヤーも招集されてはいたものの、こちらは90分間ベンチ。ということで、この日のGKはヴィーゼ…そしてこの試合はある意味ヴィーゼショーとなりました。
試合開始直後はドイツグダグダ。まったくまとまりがなく、デンマークに好き放題されていたのですが、そんなところで点数取れちゃうのがやはりドイツ。キャプテンマークを巻いたヒッツルスペルガーからの見事なパスをラインを抜け出したゴメスが受けてシュート!…いちばん活躍しなきゃいけないゴメスがゴール決めて、一安心する反面、親善試合で決められてもなぁ…と思ってしまうのもまた事実。どこか「あいたたたー」という気分にもさせられたドイツの先制シーンでした。ごめんね、ゴメス。ただこれでドイツが落ち着きを取り戻したのか、前半はドイツがまずまず試合をコントロールして終了。
後半はデンマークの反撃を受けながらも、ヘルメスのゴールで追加点。この日のワントップで出場した2人がきっちりと仕事をしたのは、評価できる点。中央のヒッツルスペルガーとツートップ、ここは合格点だったのです、が。
後ろの方では、まぁいいのかわるいのかヴィーゼがやっぱりこうでなくっちゃね!という大活躍。ヴィーゼはノーガードでガンガンうたれてこそ、その真価を発揮する選手(?)なのですが、ブレーメンでそれは(笑って)許せても、代表でのスカスカのディフェンスはやめよーよ!そしてさすがのヴィーゼも、タスキがゴール前で相手にパスしちゃうとは予想できず、これで1失点。それでもこのまま終わるかと思ったら、なんと本人が最後の最後にキャッチミス。はじいたところをあいてに蹴りこまれてなんと試合終了直前に同点。親善試合だからよかったものの、あまりいい終わり方ではありませんでした。

参考までにKickerの試合分析はこちら。レーティングトップはヒッツルスペルガーの2で彼がMOM。レーティング最低は、タスキとマリンちゃんの5。試合評価は3。「日程的事情とシーズンにおけるタイミングを考慮すれば、動きのある、特に終盤戦は非常に活気のあるゲーム」のコメント。確かに。グダグダの馴れ合い試合にはならなかったし、デンマーク側のファンは楽しかっただろうな…。