二月花形歌舞伎(2017/2/11夜の部)

梅枝くんの雪姫が見たくて松竹座へ。本当は幕見にするつもりだったけれど、3階最前列が空いていたこともあり、観劇前日に切符をとり、結局「金閣寺」だけでなく「連獅子」まで拝見。

「金閣寺」は花形それぞれが頑張っていて、いいバランスでまとまっていたように思う。梅枝くんのほっそりとして美しく、でもどこか凛とした雪姫。桜の花でネズミを描くところ、夫を思う心に胸を打たれる。歌昇くんの真柴久吉はすっきりイケメン。右近くんの存在感、種之助くんの声は好きだな……ときて、新悟くんが慶寿院!花形の彼にはさすがに厳しいんじゃないかと思っていたら、いや、問題ない。実際、将軍の母親なんて私よりずっと若い可能性あるよね……とか思うと、なんか若き未亡人の妙な色気のようなものを感じてしまう。となれば「松永大膳、まさか雪姫だけじゃなく……!」と妄想入りそうなところだけれど、当の又五郎さんの大膳がかなりまじめに国家転覆を狙っており、あまりエロおやじっぽくないのでした(それはそれで恰好よいのだけれど)。それにしても、あそこまで突き抜けた大悪人、松永大膳って気持ちいい役なんだろうなぁ。

新春浅草歌舞伎昼の部(2017/01/26 千穐楽)

巳之助のくんの又平を見るために浅草へ。2017の初芝居がこれになったこと、三津五郎さんが亡くなった当時、2年前の自分に教えてやりたい。希望は過去にだけじゃない、未来にもあるのだよ、と。

 

「傾城反魂香」 その障害(「どもり」)のために他人から侮られ侮られして生きてきた又平の悔しさ、唯一の希望である絵師として認められることがかなわなかったときの絶望、それらが胸にせまって涙があふれる。いつの時代にもリアルな「人間」を描く近松ってほんとうにすごい。この「吃又」って作品の普遍性を教えてくれた巳之助に感謝。壱太郎のおとくが又平を見る目は、連れ添う夫ではなく、まるで恋人を見ているかのよう。又平のない生など考えられないような一途な思いが切ない。

 

「吉野山」 壱太郎の踊りは安心して見ていられるのがいい。巳之助は役に入りこむタイプの役者だと思うのだが、感情移入のしにくい藤太は型からきちんと作りあげてくる。そうすると三津五郎さんの姿が透けて見える。そしてまた泣けてくる。

ぼちぼち復活

 

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Just returned from the disconection days.

 

2016年ミュージアム始め

新年2日、京都市美術館に閉会間際の「レンブラントとフェルメール」展を見に行きました。日本で人気のふたりのオランダ人画家の名前がついてはいますが、実質、17世紀におけるオランダ絵画に特徴的なモチーフを扱った作品を集めた展覧会です。風景、海洋、静物、肖像、風俗…と小分けになってて、かつそれぞれのセクションにこれといった作品が出てないので、全体的に薄い印象。一方で、なるほど、地味に裕福なオランダ市民社会のイメージをつかむことができるのもでもありました。

お目当はもちろん、展覧会名に出ているふたりの画家の作品ではあったのですが、会場でもっとも心を惹かれたのは、レンブラントの夭折した弟子であるファブリティウスの自画像。これが眺めていたくなるなかなかのイケメン。ポストカードだけでなく、マグネットまで購入してしまいました。
心をふるわせる美しいものに、今年もたくさん出会えますように。

カレル・ファブリティウス



 

三津五郎さん

 三津五郎さんがお亡くなりになりました。
昨年4月、8月と歌舞伎座にご出演されたあと、12月の舞台の予定をキャンセル。療養に専念され、その後の復帰のお話が出てこないことから、1ヶ月の長丁場にわたる歌舞伎の本舞台に立たれるのはもう難しいのかもしれないとは思っていました。でも、1日だけの舞踊会だとか、後進の指導だとかで、まだまだ活躍されるはず、そうでなければいけない人だと、自身がファンであることは置いておいても、そう思っていました。残念でなりません。

いろいろ書きたいことはあるのですが、どうやってもただわめきちらすことにしかならなそうなので、今はここまで。でも、少しずつ少しずつ、いろいろなことを、わたしの見た三津五郎さんのことを文字にして残していきたいなとは思っています。

ご家族、ご友人、そして近しい歌舞伎俳優の皆さんの喪失感を思うと、ほんとうにやるせない。
ただ、今はお辛いと思いますが、そばにいらっしゃった方々には、三津五郎さんの残したものを少しでも拾い集め、守り、伝えてほしい。いち三津五郎さんファンとしても、これまらも舞台を見続けます、三津五郎さんが愛し、残したものが途絶えることがないように。

故人の冥福を祈る気分にはまだなれません。去年の納涼、最後の歌舞伎の舞台となった「たぬき」。あの芝居と同じように、焼き場の棺桶のなかからこっちの世界に、たとえ別人になってでも帰ってきてくれていーんですよ。三津五郎さん。